日中の畑で大きなイノシシが出現しました
昨日は、畑で、うちの奥さんに、16時近くまで、トマトの枝吊り作業をして貰っていたところ、現在、近所の畑のスイカを荒らしていると思われる大きなイノシシが、東側の木が生い茂っている耕作放棄地(これから地主さんが開墾予定)辺りから急に飛び出し、お隣果樹園さんの東の畑で跳ね回りました。非常に見事な大きいイノシシでした。肩高がかなりあり、刈りこんでいないお茶の木と比較すると80cmぐらいはあるかと思われます。このサイズですと体重も80kgではきかず、100kg程度はあるのではないでしょうか。
この耕作放棄地(開墾予定地)の南側は、昨夜イノシシの被害に遭ったサツマイモ畑があります。被害に遭ったサツマイモ畑は、ビニールマルチにイノシシが鼻を突っ込んだりして、グシャグシャに荒らされています。そして、私たちの畑の西側は、お隣地主さんのスイカが荒らされて、ほぼ全滅しました。私たちのサツマイモ畑も横切りましたが、サツマイモ5,6株あちこち、鼻で匂いを嗅いで、つついた跡があるものの、植え付けてから日数が間もないためか被害は全くありませんでした。
イノシシはのっぽの私に気が付いて、こちらに、振り向いて緊張してこわばっていました。そこで、私は、イノシシへの視線を、ややそらしたところ、イノシシは安心したのか、北側の造園屋さんのお宅とたまご屋さんの間の野原に移動しはじめました。
実際にイノシシを目撃する前に、飯能市の環境課(?)に連絡したところ、出没するイノシシは1頭のみで、どうやらムーミンパーク、メッツァのある宮沢湖あたりから来ているらしいとのことです。下校中にもイノシシが出没していると聴いていましたので、イノシシが姿を消す前に、「子どもや人を襲ったらいかんぞー」と声を掛けました。実は、昨晩も作業しながら、イノシシには、畑は襲わないように山にお帰りなさいと、この耕作放棄地や、南側のキツネの穴のある別の耕作放棄地に向かって声かけをしていました。
動物への声掛けは、ばかばかしいと思う人もいるかもしれませんが、実は、北海道ではヒグマに遭遇したら、おちついて、クマに声かけしながら、目をそらさずに、ゆっくり後退するようにしていました。クマも人が怖いからです。
時には、こちらが見えなくても、向こうがこちらを発見したときは、もの凄いゾウのような鼻息で威嚇することもありますから。特に首都圏で野生の大型哺乳類を見慣れていない人は、あまり騒ぐと動物が怖がって、向かってくることもありますので、相手を極力脅かさないことも大事かと思います。
さて、今回飯能市川崎地区で、このような大規模なイノシシによる農業被害が出たのは初めてです。環境課の話では、イノシシ用の箱罠を幾つもしかけたようです。川崎地区は農村振興地で、日中作業者も多数いますので、銃は絶対使用できないでしょう。ただし、あれほど大きく、長く生きて経験豊かそうなオスイノシシをワナで簡単に捕まえられるものでしょうか?
まだ以前の職場にいたころ、森林総合研究所か、農研気候のニュースレターで、兵庫や岡山などでは、畑の獣害対策として、山と人里の境を明確化し、山際の藪や、獣の隠れ場所になる背の高い草を刈りはらったりしたところ、畑の被害は激減したという記事を読んだことがあります。イノシシやシカによる人里への進出は、過疎化などで人口が減って来て、山里の管理が行き届かなくなったため、獣が人間の世界へ進出できる扉(人里付近の耕作放棄地や藪など)を人間自身が作ってしまったことが理由のようです。
それを安易に獣の数が増えたと判断して、むやみと狩猟圧をかけることは、とんでもない誤りと私は思っています。獣たちの絶対数は変わらなくとも、耕作放棄地の拡大等で獣の行動圏が拡がれば、出没数は増加しますから。
ちなみに、飯能市の環境課には、イノシシの出没入口となっている久邇カントリークラブのゴルフ場の丘陵地の山麓耕作放棄地等を刈りはらって、イノシシの通路を遮断してはどうかと伝えました。
通路を遮断しないかぎり、何度捕まえても、こうした迷いシシは侵入してくることでしょう。
では、くれぐれも、ご近所の農業者さんや、朝夕お散歩される方は、イノシシが藪や茂みに潜む可能性があります。ヒグマもそうですが、自分が藪等に隠れたつもりになっても、人が近づくと、緊張して怖くなったりして、急に飛び出してくることがあります。そこで、そうした可能性の高い場所での作業やお散歩は極力お控えくださいますようお願いいたします。
イノシシに鼻でつつかれたサツマイモ苗